砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

眠れぬ夜のサプリ。

この3日ほど良く眠れない夜を過ごしていた。


「居眠り清二郎」の異名を持つ私が眠れないと言うのは異常事態だ!と奥さんは言う。


この歳になるまで眠れなかった夜など滅多に無い。


40歳で大転職した時と、50で不忠不孝になった会社に辞表叩きつけて今の会社を始めた時以来だろうか。


今回の不眠症は加齢のせいでもあるが、今週末にあるアメフトの第58回スーパーボールが初めてここラスベガスで開催されるのだ。



全米が注目する国民的大イベントと言っても良いだろう。



そこで今回、会社で営業会議を開き全会一致で通常の1.5倍の仕入れを決めた。


昨年末のカウントダウン、今年初めのCESとビックイベントの売り上げ予想をハズした苦い経験にもめげずにリベンジと言うわけだ。


しかし、高く積み上がるハマチ、真鯛、カンパチの箱を目にして、明日の売れ行きを気にしながら寝ても気が休まらないのだ。


「ケーセラセラ なるようにな〜るさ、明日の事などわから〜ない」と歌いながら寝るのだが、夜中に目を覚ますとソレから眠れない。


さすがにコレはまずいと思い、友人に相談すると「マリファナのお菓子」を勧められるが、いくら合法と言えども抵抗感がある。


そこでスーパーマーケットのサプリ コーナーにいた鼻にピアス付けているお姉さんに聞くと、「メラトニンのサプリ」を紹介された。



日本では医者の処方箋が必要だが、アメリカでは何処でも手軽に手に入る。


早速試してみると見事に寝落ちして朝まで目が覚める事がなかった。

驚き、桃の木、山椒の木である(死語ですね)。



チョット調べると、老化によりメラトニンが減少するそうです。


メラトニンが不足すると

*不眠症

*気分の落ち込み

*免疫機能不全

*イライラ感

*集中力の低下

*季節性感情障害


などと書いてある。

オ〜まさに最近の私の症状ではないですか⁉︎


もちろん何の薬もサプリでも取り過ぎには副作用が有るので依存してはいけないが、眠れなくてどうしようもない時に使えるサプリが有るのは心強い。


赤身の魚、大豆製品、バナナにもメラトニンが含まれるそうですよ。



さてバナナを食べ食べスーパーボールに備えようと思います。



井の中の蛙シンドローム

先回の続きになってしまうが、食文化の地域性は興味深い。

食品業界に働く者としては関心も持たざるを得ないです。


子供の頃、黒はんぺんは全国的な物だと思っていたが、何と静岡だけと知った時はショックでした。


浪人生で上京した時に、初めて白はんぺん食べて「世の中には不思議な食べ物があるものだ」と驚いたものです。

しかし、不思議な物を食べているのは静岡県人の方だったと知ったのは随分後からでした。



これぞ井の中蛙シンドローム。


とろろ汁の食べ方が静岡特有のものと知ったのも同じ井の中の蛙シンドローム。


今では静岡おでんで黒はんぺんの認知度も上がりましたが、他県からすれば実に不思議な食べ物でしょうね。


白はんぺんが魚の身だけを使うのに対して、黒はんぺんは鯖、イワシを丸ごとすり身にして作るので栄養価満点。

黒はんぺんに慣れてしまった私からすると、白はんぺんはフニャとしてコクと根性が無いように感じてしまう。


しかし、全国的に広まる事なく、隣りの小田原でも白はんぺんだ。

それもそのはず焼津でほとんどが作られているそうです。


これだけ流通が便利になっても食文化のボーダーがしっかり存在するのは面白い。


そんな話を会社でしていると、「お餅も関西は丸餅で関東は角餅と分かれるよね」とコメントが入る。


確かに岐阜県の関ヶ原辺りで餅の形は丸と角に分かれているそうです。

これだけ人の移動は多く有るのだろうに、地域に根づいた食文化は変わらないのは面白い物です。


特に味噌などは地域性がありますよね。


大きく分けて麦味噌、豆味噌、米味噌に分かれるが発酵時間によっても変化する。


マップを見ると地域の食文化の特性が見れて面白いです。



さて静岡はと言うと駿河の国を中心として相白味噌(あいじろみそ)がご当地味噌だそうだ。


京都の西京味噌ほど甘く無く、麹の比率が高い白味噌だ。

徳川の影響下でも、お隣り家康の出身地岡崎の八丁味噌(豆味噌)の影響は受けないで、西京味噌に近かったのは今川の影響の方が文化的に大きかったのだろうか。


アメリカと違い、地域ごとに個性ある味を楽しめるのも日本での旅行の魅力ですね。


味噌はともかくとして、黒はんぺん食べた〜い。

とろろは混ぜるか混ぜ無いか。

ラスベガスは、まだ1月の終わりと言うのに昨日はポカポカ温かく、半袖で過ごせるぐらいの良い天気でした。


ところが今日はどんよりした曇りで、少し寒い。

更に明日は雨だそうだ。

この気候の変化は老体には応えるんだよね。


今日はなんとなく身体が重いし食欲も湧かない。


自分だけなら納豆ご飯で過ごすところだが、今シアトルからの居候を1人面倒見ているので、そうもいくまい。

試行錯誤した上で「とろろ汁」を作る事にした。



ご飯と味噌汁、そして長芋をすれば良いので楽だし栄養もある。


これだけじゃ淋しいので、先週の売れ残りのイサキを開きにしてあったので豪快に焼いて食べた。



これは予想外に美味しく出来ていた、居候も涙ながらに食べていた。


さてとろろ汁の食べ方は事前に教えたのだが、彼は味噌汁ととろろを混ぜない。


本来ならこの2つを摺鉢に入れてガリガリと混ぜるのだが彼にはその様なカルチャーは無いと言う。



東海道五十三次の静岡丸子の「とろろ汁」は戦国時代からの静岡の郷土料理である。(こちらは自然薯)



学校帰りに母が凄い形相で摺鉢をゴリゴリやっていると「今日の夕食はとろろ汁だな」とわかる静岡の郷土料理である。


新潟出身の彼には馴染みが無い料理なのだろうか?と疑問に思ったが、食費を出してもらっている以上文句は無い。

「しかし別々に食べても美味しく無いだろうに」と横目で見ながら思った。


食後、奥さんとの電話でその事を話すと、

「私もとろろとお味噌汁を混ぜるのはおかしいと思う」と思わぬ意見が出た。


「ぐちょぐちょして気持ち悪いじゃん」と言う暴言も吐く。

「なんちゅう事を!駿河っ子を敵に回す言動を〜」

と返したが

「あれは変‼︎」とダメ押し。


夫婦40年目にして明かされた食生活のギャップである。

「よく混ぜるのが愛」と思ったのに。


新潟のみならず、茨城まで食文化のボーダーがあったとは‥…。


まあ単身赴任中は「とろろ汁」を母との思い出と共に1人で楽しむ事にしよう。