マスタードの話
先日わさび(山葵)業社とミーティングがあった。
わさびはお寿司屋さんにとって必要欠くべからずのアイタムである。
商談の後で話はマスタードの話になった。
「この物価高でわさびも少し値上げしますが、マスタードはヤバイですよ。多分もうすぐ3倍の値上げと思います」と言うのだ。
「マスタード? どうして?」と聞くとマスタードの世界5大生産地がネパール、ロシア、カナダ、ミャンマー、ウクライナの順だそうだ。
ネパール産は質に課題があるそうで、ロシアのウクライナ侵略でこの2国もダメ。
希望のカナダは昨年の干魃で生産量が厳しいそうだ。
なるほど3倍の値上げも頷ける。
アメリカはハンバーガー、サンドイッチ、ホットドックなどにマスタードは欠かせない。
レストランのテーブルに赤いケチャップと一緒に置いてある黄色いマスタードの姿が消えてしまうかもしれない。
因みにマスタードはカラシ種から出来ているのだが、聖書のイエス様の譬え話にも何度か出て来るように、昔から人類の食生活に欠かせないないものである。
このカラシ種を粉末にして小麦粉と酢などで練ってマスタードになる。
このワサビの業社のセールスマンは前の仕事で、ウクライナやロシアの穀倉地帯に何度か行った事があるそうで、
「あの広大な大地が戦場になるなんて信じられない!」と言っていた。
この問題は長引くそうでウクライナでは今年の種蒔きすら十分に出来ない状態だろう。
ウクライナ危機は着実に私達の食卓に影響を与えている。
納豆に付いている小さなカラシのパックを開けながら思った。