天国の香り
横浜同窓会のグループLINE で「天国はライラックの花の香り」と話題が出て、無性にその香りをかぎたくなった。
しかしここは砂漠のラスベガス。
そんじょそこらに咲いている花では無い。
(札幌はライラック祭りがあるそうだが)
こうした時は「アラジンの魔法のランプ」ならぬ「アマゾン」にお願いするのが一番である。
次の日の土曜日の午後、会社に送られてきたのはライラックのエッセンシャル オイルである。
先週の仕事はかなりの激務だったので身も心もヘトヘト!
「香りの一つでも天国体験してみたいと」思うのは労働者のささやかな望み。
次の日の朝は日曜日(アメリカは日本から1日遅れてマス)。
カーテンから差し込む朝日、外は小鳥のサエズリが聞こえる。
何時も真っ暗な夜中に起きる魚屋にとっては、日曜日の朝だけに経験出来る至福の時である。
ニューヨークに居る息子達に、挨拶代わりにSunday Quotesを送る。
ゆっくり朝食を取り、掃除、洗濯の雑務を終えてからエプソムソルトのバスにライラック オイルを2滴ほどたらす。
何とも言えないライラックの高貴な香りが部屋中に広がる。
そして疲れた体をゆっくりとバスタブに横たえると「OH!〜コレぞ天国!」である。
昨日土曜日にライラック オイルが会社に送られて来た時、社員が何んだ何だと寄って来た。
どうも変な物を買う人間と思われているようだ。
(昨年の木刀がまずかったかな)
「コレぞ天国の香り!」と皆に見せると、ポカーンとした顔をしている。
「薔薇の香りとも柑橘系の香りとも違いますね。良い香りと思いますよ」と言ってくれたのはオフィス レディー1人だけだ。
あとの野暮な男どもは「オレの天国の香りは松茸の香りだな」とか「ラーメンの香りエッセンス無い?」とかどうも食品系の匂いが好きなようだ。
魚屋なのでどうしても魚くさくなるお仕事、オジサン達の加齢臭もシーフード加齢臭だ。
オフの日曜日ぐらいは良い香りに包まれていたいものである。
「ライラックの高貴な香りのお風呂に入れば、身も心も天国!」と日曜日はリラックス モード。
お風呂後はYo-Yo Ma のチェロとモーツァルトを聴きながら、1週間ぶりに未完成の例の人物画を「ああでも無いこうでも無い」と描いて過ごしました。
さあ明日からまた1週間頑張ろう。