砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

泥の橋

朝早くニューヨークから来ていた長男夫婦をLAX(ロサンゼルス国際空港)に送って来た。

ハワイに4日間のバケーションだそうだ。


若いって良いな〜。


「お父さんもお母さんをハワイに連れて行ってあげたら?」と車の中で言われたが「ワタシらは箱根の温泉の方が良いよ」と答えた。


昼は奥さんと久々のデート。


しかし中高年のデートには若者のようなロマンスは無い。

食料買い出しも兼ねてのデートである。


ガーディナ市の日系マーケットに1週間分の買い物の合間にタコ焼きを食べ、和菓子を買いに行く。


古くから日系人が多く住むカーディナ市には何十年も続いている日系二世、三世のお店がある。


この「ちからもち」さんも、その一つ。


奥さんとの中高年デートの定番コースの一つでもある。

ここのお婆ちゃんは40年和菓子一筋!地域の日系人のみならず、和菓子に魅了されたアメリカンで賑わっていた。

日本に帰郷出来ないので、日本的な物を求める中高年デート。


その日に作った出来たての和菓子を、その日に食べるのが美味しい。



「田舎饅頭」が人気だが、今日はオススメの酒饅頭が絶品だった。


最後にブックオフに寄って本を物色。


最近、どうも絵を描く気分が上がらないので美術のコーナーで「洋画大賞展」を買おうとするが、表紙の裸婦に奥さんがストップをかけて来た。


「アンタ!いやらしいわね!エロジジイじゃん!」と店内に聞こえる声でダジタジ。


「芸術ちゅう〜物がわからんかなぁ〜」とシブシブ別の本にした。



一枚の絵「いま東海道五十三次」と言う本を買った。

(家庭画報は奥さん用)


広重の東海道五十三次と現在の画家が書いた絵が掲載されている。



お〜これは日本平の絵ではないか。

とろろ汁で有名な丸子宿もある。


前に僕が描いた日本平の絵と比較しながら絵心を燃やす。



さて最近、兄が大人の自由研究で郷土史をされているらしく、ファミリーヒストリーに合わせて勉強されてます。


我が家は東海道五十三次の駿河府中(静岡市)と江尻(清水市)の中間にあった小吉田(いまの国吉田)。


広重の画にも描かれている橋は、家のすぐ近くにある吉田川にかかる「泥(で)の橋」だ。


最近まで「出の橋」と思っていたが、兄の自由研究のお陰で「泥の橋」とわかった。



参勤交代の殿様達はここで「桶寿司」なる弁当を食べるのを楽しみにしていたらしい。


長門の殿様が喜んで「長門寿司」とも呼んだそうだ。


子供の頃よく遊んだ「泥の橋」の絵が後世まで残るのは嬉しい。


遠く故郷を離れて、この年齢になると尚更である。


そう言えば兄に「お前は泥の橋の下から拾われたのかもしれない」と冗談を言われた場所でもある。


実は「お前は橋の下から拾われて来た子ども」の言い回しは世代、地域を超えて日本では昔から良く言われたらしい。



古来より日本人は水を神聖な物、命を育む物としてして来たので、水流れる川にまつわる桃太郎、瓜子姫、一寸法師などの昔話があり(ユダヤ教にもモーゼは川から拾われる話がありますな)。


実の親が一度捨ててから拾うと丈夫に育つと言われたそうな。


歌川広重の描いた故郷の「泥の橋」の絵にそんな思い出を浮かばせるのも、また一興である。

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