「お客様は神様です」
サービス業はお客さんとどうお付き合いするかが大切ですね。
たまにはチョット理不尽な要求をされる場合もあります。
まあ、セールスマンの場合はその対応のプロなので問題がないが、ラテン系の配達員達は中々納得出来ない事が多い。
「Why so picky (うるさい)⁉︎」と文句を言って来る。
アメリカの日本食シェフは最近は日本人より韓国人、中国人が多くなり、え!と驚く様な勘違いも生ずる。
工業製品では無いので天然魚に血飛びや身割れがあるのは仕方ない事だし、産卵期になれば脂も減るし、季節によってサイズも違う。
「そんな事で返品するなよな」と思ってしまう。
今の季節なら台風で入荷しないこともあるもんだ。
元々魚を生食しない文化背景なので、その辺の問題はしょうがないと言えばしょうがない。
頭に来ているスパニッシュのアミーゴ(兄弟)配達員に「『お客様は神様』なんだからまあまあ」となだめた。
英語だと「Customer is God!」となるわけだが、コレは彼らにはもっと理解出来ない考えのようだ。
「What ⁉︎ Thy are not God .No way ! it's a demon !」と帰ってきた。
「神様どころか鬼だぜ!」と言ったところだ。
「お客様は神様です!」はキリスト教のみならずユダヤ教、イスラム教を含めた一神教圏では受け入れ難いフレーズの様だ。
確かに日本の神観はチョット違いますよね。
貧乏神、疫病神から始まり、山神、海の神、式神、福の神 などなど正に八百万(やおよろず)の神状態。
これも日本古来のアニミズムの影響だろうな。
まあお客様とビジネスで生活している訳だから、お客様に感謝する心は大切ですが、かと言って理不尽なクレーマーは神様と言っても貧乏神になってしまいます。
さてこの「お客様は神様です」は往年の大演歌歌手「三波春夫」さんのフレーズだが、お笑いの「レッツゴー3匹」がギャグにしてしまい流行したそうだ。
しかし、真意はお客様に媚びへつらうものではなく、
プロとしての心意気の言葉であったようだ。
「三波春夫オフィシャルサイト」を覗くと、本人自身が語っている。
「私が舞台に立つ時、敬虔な心で神に手を合わせた時と同様に、心を昇華しなければ真実の藝は出来ないーーと私は思っている。つまり、私がただ単に歌を唄うだけの歌手だったならば、きっとこんな言葉は生まれなかったと思うのです。ー〈省略〉ー
我々は如何に大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、そしてお客様を如何にして喜ばせなければいけないかを考えていなくてはなりません。
お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、その代償を持ち帰っていただかなければならない。
お客様は、その意味で、絶対者の集まりなのです。」
うーん!道を極めた人の言葉は深いです。
私の営業姿勢の勉強になります。
20歳で陸軍に入り転戦し終戦後はシベリア捕虜となり、絶望の中にある仲間を励ます為、自らの希望の為に歌ったと言う三波春夫さんの歌には、人の心を揺さぶる力があったんでしょうね。
さて、アメリカでは「お客様は神様です」がタブーなら「お客様も神の子です」でアミーゴ ドライバーに話してみる事にしよう。
コレなら聖書的に問題は無いかな⁉︎