砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

母の香り

今日朝早く兄から母が他界したとの知らせを受けた。

天寿を全うした90年の人生であった。


戦後農家に嫁ぎ、3人の息子を育てるのはさぞかし大変だっただろうと思う。

その中でも一番母の手を焼いたのは私であったであろう。


帰国の道は無いかと入国情報をもう一度調べては見るが、3日間の空港待機期間を入れてどう計算しても家に着くのは上手く行っても6日後。

更に2週間、実家に滞在しなければならないそうだ。


一番の問題は公共の交通機関が使用不可である事だろう。

このコロナ禍では、残念だがアメリカの空から母の冥福を祈るしかないようである。


雨上がりの空を見ながら母を思った。




母は戦中戦後の激動の時代に青春を過ごし、農家に嫁いで父と共に懸命に働き、子を育て、老いたるは祖母と父の介護で10年以上の日々を過ごして来た。


苦労の多い時代を生き抜いて来られたが、我ら3人の息子達もそれぞれ家庭を持ち、多くの孫、曾孫に囲まれる幸せな人生であったのではないかと思います。


そんな日々生活の中で母が感じた情景を、母の残した俳句集を読みながらひしひしと感じます。


母の実母が亡くなった時に詠んだ句に目が止まった。


「紫蘇の葉に 母の香りが 懐かしく」


母も祖母と同じ様に庭で紫蘇を漬けていた姿が目に浮かぶ。


また僕も母と同じく、紫蘇の葉に母の香りを懐かしむ様になってしまった。


受けた母の愛に対して何も返す事はできなかったが、次の世代に尽くす事が母への供養かと思いました。


このコロナ禍で施設から病院を探すのも大変な中、一生懸命に母にとってべストの道を選んで下さった兄夫婦に感謝です。

×

非ログインユーザーとして返信する