縄文人のアニミズム
まだ築地から豊洲に市場が移転する前に、築地市場内の関連店に行った事がある。
その時正面近くの波除稲荷神社でお参りしているとアメリカ人らしき若者から「ココは何に祈る所だ?」と聞かれた。
稲荷神社は渡来人の秦氏に由来する五穀を司る神を祀っているが、どうも狐のイメージが強い。
「狐だ!」なんて事はキリスト教文化圏のアメリカ人には理解出来ないだろうと思い適当に誤魔化した。
社内には活魚、エビ、昆布、玉子、鮟鱇塚などもある。
ユダヤ-キリスト教、イスラム教は食べ物を与えて下さる神様に感謝するが、この神社の塚のように魚介類自体に感謝するのは日本人ぐらのものだろう。
コレは古来縄文人のアニミズムの名残りであろうと思う。
アニミズムは自然界の万物に霊が宿るという考えである。
縄文人は岩の神、木の神、水の神など万物を敬う文化があった。
その名残りか日本人は今でも針供養、ハサミ供養や眼鏡供養、箸供養など日常に使う物を魂が宿った物の様に供養します。
面白いですね。
人間が主人で他の生き物は支配されるべき物、道具は道具という西洋合理主義文化ではナンセンスな考えです。
しかし、縄文人の血をひく僕はこの万物を敬う、供養というカルチャーが好きだ。
魚屋を生業としているのでなおさらである。
しかし最近、欧米もこの日本独特の文化に関心を寄せているようです。
一番の要因は自然界破壊、環境問題だと思います。
自然を征服するのでは無く、自然に優しく。
サステナビリテーやリサイクルなどなどで共存しようとしている。
先回のブログで書いた「こんまりのきらめきメソッド」も物から来るキラメキを感じるというのだから、物を魂のある存在として扱っています。
「服をたたむ事にも想いを込める」というのだから、コレはまさにアニミズムだ。
この収納メソッドが欧米人が学んでいるというのだから面白い。
日本文化に流れる縄文人のアニミズムは、もしかしたら今の時代に一番必要なのかもしれませんね。
余談ですがラスベガスのビジネスを始めた頃、韓国人のYさんとカジノの間を通ってレストランに営業に行きました。
レストラン オーナーと商談を始めたがYさんがいない「いったい、どこにいちまったんだろう?」と思った。
商談が終わりYさんに電話すると「お〜今ちょうどイイとこだったんだよ〜!左の端の方に来て!」というので行ってみたら、スロットマシーンでギャンブルをやっている!
何で〜と聞くと「このスロットマシーンが僕に語りかけて来たんだ『儲けさせてやるぞ』って」
どうやら物の魂と会話できるのは日本人だけではないようです.....。