砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

お盆休み

ここ1、2週間は日本がお盆休みに入る為、日本鮮魚の入荷が厳しい。


お盆、大雨、コロナの三重苦で輸入スケジュールが変更して、業社としては顧客の説明に追われている。


日本食のシェフも昔はその辺の事は分かっていて「お盆だからしょうがないね」と物不足を理解してくれたもんだが、若いシェフは毎年何度言っても理解出来ない。

そもそも日本人では無いシェフが増えたので「お盆休みとは」の説明に苦労する。


我が社のアメリカンのセールスマンも同じだ。


「何の休みなんだ⁉︎ 何で魚の入荷に影響するんだ?」とカイル君が聞いて来たので簡単に説明した。


僕: いいか、このお盆の期間は先祖が家に訪ねて来るんだ。


カイル: What ! え〜俺は先祖なんて知らないし、勝手に家に入って来たらびっくりして銃で撃っちゃうぜ!


僕: イヤイヤ 先祖を銃で撃ちゃイカン!そもそもスピリットだから死んでいるし。


カイル:何しに来るんだい、俺は用はないぜ!

(なんとバチ当たりな奴)


カイルは韓国の孤児院からアメリカ人夫婦が赤ん坊の時に養子として引き取られたので、今さら先祖が「アニハセヨ〜」と訪ねてこられても困るらしい。


先祖が迷わないように迎え火、送り火を焚くし、先祖が早く帰って来るようにキュウリの馬と、供物を持ってゆっくり帰れるようにナスの牛をつくるんだ。



カイルは「ナンジャ〜そりゃ⁉︎」と言う顔をして聞いている。


僕も説明しながらも「わかんね〜だろうな〜」と思った。


東洋の祖霊信仰をアメリカ人に説明するのは難しい。


今回の東京オリンビック閉会式で盆踊りをやっていたが

「これは地獄での受苦を免れた亡者達が、喜んで踊る状態を模した夏祭りのクライマックスだ!」

なんて説明しても分かりっこない。


でも子供の時の夏の思い出は、このお盆に関わる行事が多い。


母の俳句集の中に、チョット面白い句があった。

他界した夫(父)を思い、お盆に詠んだ句だ。


「送り火や 寄り道好きな 夫なり」


僕の父は実にユニークな人で農家なのに競馬やボーリングにハマったり、交友関係が広いので寄り道ばかりして夜遅く帰って来ることが多かった。


ボーリングは当時の流行りのスポーツで、いつの間にかテレビでプロにチャレンジしていたりした時はたまげた。



なので、この句を詠むとクスッと笑ってしまう。


読売新聞で佳作をとった俳句だったようで(評)が付いている。

(評) 迎え火ではなくて送り火であるのが面白い、迎え火なら夫はまだ来ない、どうしたのだろうと言う事になるが、送り火なので「真っ直ぐ帰ってね」と言う事になる。


さて、会社に売れ残ったキュウリとナスがあるので、久方ぶりに馬と牛を作ってみようかな。


ギャンブル好きだったから、父なら喜んでラスベガスに海も超えて来るかもしれませんね。

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