せめてハワイにでも
ラスベガス空港は何か変な空であった。
曇っているのか、霧なのかと思えば山火事で空気が汚れているらしい....。
ネバダ州はコロナ デルタ株の感染拡大で、観光業に影響が出ている。
ベガスに来る便も幾つもキャンセルが出ているらしい。
搭乗口の待合室も以前に比べて人が少ない。
しかし行先によっては人が溢れている所があったので、空港のワーカーに「彼らは何処に行くんだ?」と聞いた。
ハワイだ。
オリエンタルからの旅行者がいないハワイは、今や本土からの旅行者に大人気だそうだ。
空港にも所せましとギャンブルマシンがあるベガスより、青い空と海でバカンスを過ごす方が良いようだ。
僕もその方がいいな。
搭乗口で僕の名前を見た係員のトムさんが「日本人ですか〜僕のお母さん日本人です」と流暢な日本語で話しかけて来た。
「お母さんは品川出身で、お父さんは座間キャンプの兵隊だったんですよ。横浜、川崎にも住んでました」と言って、91歳になるお母さんの写真をスマホで見せてくれる。
「この人、仕事しないでいいのかな〜」思いながらも、余りにも楽しそうに話して来るので、ホ〜とはハ〜とか言って相づちを打ちながら聞いてしまった。
この愛想の良さももセールスマンのサガである。
親戚が日本にいるので毎年日本に行っているが、今年は無理だと嘆いていた。
同感である。
海外に行けないなら、せめて途中のハワイに行きたいものだ。
ワイキキのビーチで寝そべる夢を見ながら、砂漠の上を飛んだ。