ありがとう、お茶の水博士。
大きな祝福の前には試練があるものである。
この週末は長男の結婚式があるので、お嫁さんのご両親もニューヨークから来られる。
コロナ禍の結婚式なのでパサデナの教会施設で土曜日に親族中心に行われるのだが、明日金曜日はご両親を我家にお招きして夕食会を催す事となった。
メイン デシュは我が社の誇るAlpaine King Salmon
サイコーサーモンの別名があります。
問題はあばら屋とも言える我が家だ。
息子達に「いいかお前達の部屋とトイレだけは責任持って綺麗にしておけよ!」と何度か言ったのだが、「分かった〜」の生返事が返って来るだけだった。
親が掃除するのも過保護過ぎるので、大人なんだから自分達の部屋のは責任持てとしている。
「男の子の部屋が綺麗に整頓されているなんて、ちょっとキモイ」と言う考えもあったので、お嫁さんのご両親も男の息子さん2人いるみたいし、「まあ少しぐらい汚くても大丈夫だろう」とたかを括っていた。
ところが月曜日にお嫁さんから長男に「実は私の母さんはかなり綺麗好きで、シャワールームにカビなんかみたら卒倒する。ピッキー(うるさい)なのよう〜」と電話があった。
「........,。」
「今頃どうするんだ〜。」
長男は残業だし、次男も大学の試験で時間は無い。奥様一人では疲れ果てて結婚式に出れなくなってしまう。
緊急事態発生である。
こうした時は単身赴任は情け無い。
「もう夕食会には水分を出さないで、トイレには行かせないようにしようかしら」と奥様が言う。
かなり精神錯乱状態から出た苦渋のアイデアだ。
頭を巡らせた結果、日本人のお掃除屋さん(クリーニング サービス)を頼む事にした。
奥様が連絡を取ると社長が随分気の抜けた日本語で対応した。
翌日 社長とスパニッシュの従業員でやって来た。
社長は日本語が幾らか話せる韓国人だった。
この社長が面白い。
髪型がアトムに出て来るお茶の水博士そっくり。
いかにも人が良さそうなんだが、仕事中の無駄話が多いのがたまにキズ。
「ウーン このトイレの汚れが中々取れない!」
「ああ大丈夫ですよ、それくらいなら時間も無いし」と奥様が言うと
「いや 大丈夫!この洗剤を使えば汚れが落ちます」
「.....,,,,,何故最初からそれを使わないのか。」と奥様は思ったと言う。
「その洗剤何なんですか?」
「....き、企業秘密です。」
2人で2時間$180という話だったが30分ほど過ぎても「超過料金要らないよ。プロとして汚れを無くす!」と頑張ってくれた。
「イヤー綺麗になりましたね〜ありがとうございます」と奥様が言うと
「僕は田中角栄先生が大好きなんですよ」とまた話し出す。
社長さんが小学生の時故田中首相が韓国に来られたのをテレビで見たそうだ。
小学生しか出て無いのに日本の首相まで登り詰めた今太閤に憧れたと言う。
極度の学歴社会の韓国では小学生しか出て無くてトップになると言うのは考えられないぐらいのドリームである。
かなりのハードワークだったようで帰る時は2人ともうなだれるように帰っていった。
帰り際に30分もサービスしてくれたのでチップを$10渡したのだが、「$10は安過ぎたからかな〜」と奥様から電話で言う。
まあ、また次の機会にその会社使ってあげればオッケーだろう。
ありがとうお茶の水博士!
これでお嫁さんの母ちゃん対策もバッチリだ。
掃除代$180は息子達から徴収するとしよう。