芸は身を助く
2020年は実に波瀾万丈の年である。
コロナ禍が無ければ安倍さんも首相を続けていただろうし、トランプさんも二期目も楽勝していたと思う。
世界中多くの生命が失われ、職を失う人が激増している。
多くの人達の人生を狂わせたコロナ禍である。
実はオジサンの長男もエンジニアとして長いインターンシップが終えて今年の4月にフランス系の航空部品会社に就職が決まっていたが、コロナ感染拡大により白紙になってしまった一人だ。
良いポジションで採用されたが、ご存知の様にコロナ被害は航空関係を直撃している。
飛行機が飛ばなきゃ飛行機部品関連の会社も人を雇う余裕は無く、採用取り消しもいかし方あるまい。
他のエンジニアの仕事を探してもこのご時世、中々見つかるものでも無い。
しかし先週採用が決まったと言う。
聞けば日系の精密機器会社だ。
車や飛行機、ロボットなどに使う特殊機器を扱う会社だそうだ。
「へ〜こんな時期に良く採用されたね」と聞くと日本語と英語が話せるバイリンガルのエンジニアを探していたそうだ。
長男は特別に日本語を勉強したわけでは無いが、高校生ぐらいから急に上手くなった。
理由を尋ねると日本の漫画を読んで学んだそうです。
ここで重要なのは英訳された漫画ではダメです。
次男も日本の漫画は大好きだが日本のアニメブームで殆どが英訳されているので、英語で読んでしまった為今一つ日本語がおかしい。
「芸は身を助く」と言われるが、漫画読んで就職出来たならそれもまた芸の一つかな。
ニューヨークの会社からも誘いがあったがオジサンが単身赴任で家に居ないので、家から通えるロサンゼルスの会社にしたと言う。
「親孝行じゃの〜」
労いの為チョット遠いが長男が好きなコーヒーショップに連れて行った。
ここは元々洗濯屋かなんかだったのを改装してコーヒー店にしたので工場みたいで変わった作りだ。
ここの人気のコーヒーはラベンダーバニラだ。
ラベンダーには疲れやストレスを癒す効果があると言う。
コロナ禍で就職取り消しはショックだったろう、文句も愚痴も言わずチャレンジして来た長男を労ってラベンダーバニラをおごってあげました。