三保の苦い思い出
Facebook 友達には既に公開していたが手掛けていた油絵が完成しました。
兄が海釣りに行った時の写真を題材にした事は前のブログでもふれました。
駿河湾の三保沖での写真だそうだ。
雪を頭に頂いた富士山ほど絵になるものはない。
実は昨年帰郷した時に世界遺産となった「三保の松原」に奥様と行って来た。
実家からもさほど遠くない所ではあるのだが53年ぶりだろうか。
この写真は昨年、浜辺からオジサンが撮ったものであるが、残念ながら10月だったので雪は少ししか見えませんでした。
三保の松原は羽衣伝説で有名な所で、天女が舞い降りたくなるほど美しい所という事だろうか。
実はオジサンにはこの三保の松原に苦い思い出がある。
昔々小学校低学年の頃、遠足でココに来た。
靴を脱いで皆んなと波遊びをしていたのだが、帰る頃になると靴が片方無い。
先生や友達に聞いても知らないと言う。
さて困った。
天女の羽衣のように誰かが隠したのであろうか。
(昔から物を盗み隠す漁師の伝説がある所だし)
靴が片方では家には帰れません。
何よりお母ちゃんが怒りの大魔神と化す。
帰る集合時間まで浜辺をトボトボ歩きながら探していると、波打ち際に一つの靴がゴミと共に見えた。。
オ〜と言いながらかけ拾って見ると確かに子供用ではあるが自分のでは無い。
そもそもデザインが違うし、サイズも微妙だ。
しかし無いよりはマシと思い、無理矢理履いて帰った。
さて、お母ちゃんがその違いを見過ごす訳も無く、当時まだ嫁入り前の叔母と共にこっぴどく怒られた。
「だ、誰かが片方持って行っちゃったが、天女が海から送ってくれたのがコノ片方なんじゃ〜....」
と霞む様な声で説明したが、火に油を注いでしまった。
次の日に真新しい月星(田舎のブランドネーム)の靴を揃えてくれたのは天女では無く母でした。
そんな事を思い出しながら描き終わりました。
実は靴を片方盗んだのはクラスの悪ガキと目星はついていたのだが、もはや時間の波が遠い思い出の彼方に押し流してしまいましたね。