興ざめなるもの。
枕草子では『興ざめなもの(すさまじきもの)』として
昼ほゆる犬。春の網代。三、四月の紅梅襲の衣...と書いている。
紅梅襲の衣は当時、陰暦の11月から2月に着るものだった様で、時期外れの衣装という事だそうだ。
オジサンの周りでも興ざめなるものは多々ある。
先回日本での「紅葉狩りバスツアー」もそうだった。
紅葉なき紅葉狩りも興ざめなるものだ。
出発前に可愛いバスガイドのお姉さんが「皆さん、行き先からの情報で、そろそろ紅葉が始まっていると聞いています」などとフェイク ニュースを伝えるものだから、行ってみて益々興ざめであった。
まあ、可愛いお姉さんだったのでオジサンは許しだが、奥様は頭に来ていた。
疲れはてながらホテルに帰り、テレビをつけたら「桜を見る会」が問題になっていると言う。
「え!何で今頃紅葉ではなく、桜を見る会なんだ」と最初理解出来なかった。
しかし日本の政治家も何やってんだか。
北からミサイルが打たれ、香港では民主化運動で市民が死に、中国の軍事的脅威が増しているのに、国会での議論が「桜を見る会」についてああだこうだやっている。
政府側もおごりがあったかもしれないが、野党も野党だ。
もっと議論しなければならない事が、いっぱいあるだろうに国会は「花の騒乱」である。
政策なき政治家、代案なき批判も興ざめなるものだ。
花がダメなら葉があるさ。
与野党一緒に冷えた風にあたり「美しい紅葉を見ながらの議会」でもやれば、少しはマシになるのではないか。
実り有る秋にしてもらいたいものである。