砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

「六の宮の姫 」霊的事件 その1

あれは40年前の秋の事でございます。
落ち葉が道を覆う頃、一人の女学生が教会に伝道されて来ました。
(ここまでは大奥のナレーション風に読んで下さいな)


法政大学で日本文学を学ぶ彼女は、色白でロングヘアーの見るからに華奢な女性でした。
伝道した矢沢さんと応接室にいたので僕は(若い時なのでオジサン表示はお休み)挨拶しようとすると、温和な矢沢さんが「ダメダメ 来ちゃダメ!」と入室を断られてしまいました。


後から聞いたところ極度の男性恐怖症で、暫くは女性達だけでケアーしてました。


ちょっと目、平安時代の十二単が似合いそうなお嬢様の印象でした。


その頃彼女はある霊的現象に悩まされておりました。
大学の帰り道、学舎の壁の向こうから男の幽霊が白い手を振って呼んでいたとか、誰かが話掛けて来るので振り向いたが誰もいないなどなど。


その幽霊が何となく芥川龍之介に似ていると言うのであります。
彼女が文学部で芥川の作品を深く傾倒していたからでしょうか。


その冬の夕方、矢沢さんは彼女と教会で待ち合わせしていましたが、いっこうに現れません。
下宿に電話しても連絡がつかない。


心配した矢沢さんは次の日、大学の朝の授業で会おうとしましたが授業にも来ていなかったので、彼女の下宿を尋ねてみました。


ドアを叩いても反応がありません。
しかし明かりはついているようなので、大家さんに事情を話してドアの鍵を開けてもらいました。


すると彼女はコタツの横でコンセントを持った状態でバッタリ倒れていたのです。


一晩気を失っていたのでしょうか、体温がかなり落ちてしまっていました。


東京の寒い冬の夜に暖房も掛けずに倒れていたら部屋の中でも凍死の危険性があります。


急いで毛布に包み3人程でマッサージを繰り返し、身体を温めてやっと生気を戻させました。


コタツにあたらせながら、快復して来た彼女の話を聞くと、
矢沢さんとの待ち合わせまで少し時間があったのでコタツで暖まってから行こうと思い、コンセントを持って立ち上がってた瞬間、急に気を失って倒れてしまったそうです。


彼女が言うには「何かとても悲しい霊がヒタヒタと近付いて来て、その霊に覆われて気を失ってしまった。」との事でした。


これは危ないという事で、彼女は福島のご両親に相談して教会の学生寮に移る事となりました。


しかし、こうした症状は簡単にどうにかなるものではありません。
病院にも行きましたが癲癇の一種かなんとかと言われて精神安定剤の様な物を貰うぐらいです。


教会長の梅宮さんは「とりあえず霊的な人は、足が地に着いて無い場合が多いので、良く人と話して人間関係を強める事と、体力を付ける為に食事をシッカリ取りなさい」と言われました。


聖書で主イエスが「悪霊よ立ち去れ!」と命じて悪霊を払ったとありますが、私達では出来ないレベルですね。


僕(は学生部長だったので講師をやったりしてましたが、感動的な話に盛り上がると後ろの方でよくパタリと倒れる人がいるのですが、それが彼女でした。


彼女の名は手代木さんと言い、福島では多い名と聞きます。


手代木さんは何か信仰的に感動しようとすると、何処からとも無くヒタヒタとその霊が近づき、急に悲しみとあきらめの感情に支配されて気を失ってしまうのです。
つまり感動したり信仰的悟りを妨げる、諦めの悲しい霊が憑依するのです。
倒れた手代木さんを見ると、いつも気を失いながら涙を流ししていました。


一年程時が過ぎた頃でしょうか、その霊的症状はまだ続いておりました。


相変わらずその霊が付きまとっていましたが、教会長の「シッカリ食事を取りなさい」という言葉は実践していたようで、かなり体重が増えおデブとなったので、最初はパタリと倒れていたのに、そのうちドッタンと倒れ徐々に倒れ方に迫力が出て来てしまいました。


教会長は何とかこの霊現象を解決したいと思い、祈り思いあぐねていた時です。


ある日、応接室のテーブルの上に置いてあった一冊の本を何気なく手に取り読んでだそうです。


実はその本の中にこの霊的問題を解決する大きな鍵が潜んでいたのです。


続きは次回のブログで。

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