砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

「都会の絵の具」

昼間の忙しい時間に奥様から電話があった。
「あたしゃ騙されたね。ショックだよ、こりゃ詐欺だね〜。」となにか楽しそうに話している。


実は30年来の友人からあるヘルス商品を買っているのだが、2、3日前に気に入っている商品が古くなったので注文の電話すると
「本当は100ドルするんですが、お姉さんだけに50ドルで良いですよ。もう在庫は少ししか無いからお早めに」と言われたそうだ。


しかし今日、彼女の会社から間違ってか売り込みのチラシがメールされて来た。
そこには同じ商品が「在庫150個、今なら27ドル」と書いてあるではないか!



騙される続けて30年、愕然である!


口から出まかせとバレるチラシをワザワザ送って来るとは何ともマヌケな話である。


オジサンは「またか...」と思った。


奥様曰く、唇の薄い人は口から出まかせが多いので気おつけろとの事。


まあ笑い話である。
こんなたわいの無い話なら構わないが、日本ではオレオレ詐欺の様な許し難い犯罪が横行している。


最近ではアメリカでも詐欺まがいな電話やメールが来る。
警察、消防、ソーシャル セキュリティオフィスを名乗って来るのだ。
オジサンにも平均毎日1本は来る。


人を疑いたくは無いが、ボ〜と生きてはいられない世の中である。


聖書にも「蛇のように賢く、鳩のように素直でありなさい」とある。


騙された人の話を聞くと「後から冷静になると、確かに変な話だった。
何で騙されたんだろう。」と思うそうだ。
騙される前に気付く、賢さを身に付け無ければならないようだ。


実は40年前オジサンが始めて上京した時に詐欺にあっている。


渋谷駅の鉄橋の下をブラブラ歩いていたら、ちょっとケバイ化粧のオネーサン(オバサン)が呼び止めて来た。


「チョットあなた学生さん?」
「浪人生デス」
「そう、大変ね。田舎は何処?」
「静岡デス」
「あらそう、お茶とミカンが美味しいわね〜」


すべての駿河っ子がそうだとは思わないが、お茶とミカンを作っている農家の息子としては、お茶とミカンの事を褒められると気を許してしまうのかもしれない。


そしてオネーサンが出してきたのは1冊のチケットブックであった。


「これは本当は1万円相当の物だけど2000円で買えるわよ、お得よ〜」


パラパラ見てみると「ハワイ旅行5人で50万円、しかし5人誘えばあなたはタダ」
正確な金額は覚えて無いが、そんな内容のチケットが20枚束になっているのだ。


「僕は浪人生ですのでハワイ行かないス、大学に行きたいんス。友達もいません。」と断ったが
「大丈夫よ有効期間が1年だから、大学入学祝いにしたら良いわよ〜あなたはタダよ。」
と食い下がるオネーサン。


押しに弱いのが駿河っ子である。
ましてや当時19歳のオジサンは人を疑う事をまだ知らない。


キツネにつままれた様な感じをしながら下宿に帰って、冷静に考えるとインチキ オネーサン(多分オバさん)と分かった。


その後、入った大学が渋谷にあったので、よくその鉄橋下をよく通った。


通る度ごとに、そこでインチキ セールを違う人が同じようにセールスしているのを見た。


セールする方も使えない物と分かって売っているのだから、カモは如何にも純粋無垢そうな上京したての若者だ。


こうやって「都会の絵の具」に染まって行くんだなと思ったものだ。
心の中で太田裕美の「木綿のハンカチーフ」歌が流れた。



上京する時、ばあちゃんが「世の中には7人の悪人と7人の善人がいるから、よく気おつけて見極めな」と言っていたのを思い出した。


東京、サンフランシスコ、ロスアンゼルスにラスベガスと都会を渡り歩いて来たオジサンはどんな「都会の絵の具」に染まったのかな?


オジサンの好きな油彩絵の具の色はウルトラマリン ブルー、日本語では瑠璃色です。


「木綿のハンカチーフ」知らない人のために、おまけのYOUTUBUE.。


昔の歌はよかったな~。

木綿のハンカチーフ (歌詞入り ) 歌 太田裕美

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