ピーマン争奪戦
今年も半分が過ぎてしまった。
早いものである。
週末LAに帰って来ているが、奥様がナメクジと熾烈な戦いをしていた。
奥様が丹精込めて育てているピーマンをナメクジが狙っているのである。
夜、涼しくなると何処からとも無くナメクジがノロノロと現れて、出来立てのピーマンを食べてしまうのだ。
「寝ている内に来るとは卑怯なり。本当に頭に来るね!」と奥様は怒った。
そこで必殺の仕掛けをした。
ピーマンの鉢の周りに塩をまいて、ノロノロやってくるナメクジに罠を仕掛けたのである。
ナメクジは塩に弱いのだ。
「お主も悪じゃの〜。」
朝、オジサンが見てみると塩でしぼんだナメクジ達がモソモソと蟻に運ばれていた......。
「オバさん!余計な事しやがって。今夜枕元に立ってやる!」
と言うナメクジの声が聞こえてくる。
奥様は自らの策が思いのほか当たった事に「フッふふふ」と不敵な笑いを浮かべた。
さあ、ナメクジは次の一手を考えているのであろうか、それとも雨が降るまで待っているのか。
次回帰って来たときは食べ頃のピーマンになっている事を期待しながら、奥様とナメクジのピーマン争奪戦の行方を思った。
さて日が暮れる。ベガスに帰ろう。