絶望者の祈り
「神は俺の人生から何から何まで取り上げた。
残されたのは運命の呪いだけだった。
神の世界はみんな、みんななくしてやる。
しかしそれでもまだ一つだけ残るものがある。
それは神への復讐だ!
俺は誓う、堂々と神に復讐する
「絶望者の祈り 」から
この物騒な詩は19歳の青年が書いたものである。
その青年の名はカール マルクス君。
やがて彼はその詩の通りに神への復讐を果たさんが為に神なき思想、共産主義を作った。
何でこんな話を持ってきたかと言うと、オジサンがロスに帰るたびに長男とのディベイト(討論会)が待っている。
大抵は夕食後だが銃規制制、ドラック規制、環境問題、に資本主義と共産主義の限界などなど1〜2時間は話し合う。
奥様と次男は「また始まった〜」と言う顔をして席を立って行くのだ。
アメリカの青年は日本の青年層より時事問題に強い関心を持つ。
特にトランプが出てからはメディアもネタに困らない。
オジサンも嘗ての学生運動あがりである。
まだまだ若いモンに負ける訳にはいかない。
今回は「中国共産党の脅威」がテーマだったので、その共産主義の創始者のマルクス君についてのネタを色々用意しておいたのだ。
何の思想にも組織にもモチベーションがある。
当時悲惨な環境にあった労働者達の為にコノ思想を作るが、その根底は闘争と対立(弁証法)であり、恨み怒りである。
今回マルクス君のモチベーションを説明する為に、この「絶望者の祈り」を英訳して使った訳だ。
すると息子が言う
「もしマルクスが今の共産主義国中国の現状を見たら更なる『絶望者の祈り』をするだろうね。」と。
確かにあれだけ否定した資本主義経済を導入し、労働者は虐げられ、格差社会が出来てしまったのだからマルクス君も絶望して祈りたくなるだろうな。
長い討論を終えたオジサン達に奥様は一言いう。
「社会問題や環境問題もいいけど、まず自分の部屋の掃除と食物のあとかたずけから教育するべし!」と。