小さな花見
週末はLA に帰っていた。
「散歩がてら桜を見に行こうよ」と奥様が誘うのでついて行った。
何処かの公園かと思えば、かどにある小さな商店の駐車場だった。
確かに桜だ。
店の駐車場の周りを桜で囲むように植えてある。
この辺は昔から日系人が多く住んでいたので、このエリアのオーナーも桜の好きな日系人なのかもしれない。
丁度バス停が横にあり、スクールバスを待つ中学生や近くの小学校に通う子供たちで朝は賑やかだ。
色んなナショナリテイの人がこの桜の側を通るが、こんなに桜に特別な思いを持つのはやはり日本人のDNA ならではと思う。
先週の春分の日辺りから咲き始めたらしい。
“春分の バス停賑わす 桜かな。”
《オジサン心の俳句》
「あなたが来月帰って来るときには散っているかも」と奥様が言う。
“ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ。“
《 紀友則 、古今和歌集》
オジサンの子供達も昔は、ここからスクールバスに乗って毎日学校に行っていたもんだ。
この春は長男は仕事が決まり、次男もつぎの大学にトランスファーだ。
オジサンもヨレヨレしながら寒い冬を超えて今年も春に辿りつく事が出来た。
良き春である事を願いながらの朝の散歩であった。
“さまざまの 事おもひ出す 桜かな。”
《松尾芭蕉》