雹のつぶて
ベガスは1月も中旬になると天候が悪くなる。
ここは冬に良く雨が降るのだ。
オジサン達は色んな所から魚介類を集めるので、色んなエリアの天候をスマホに入れてチェックする。
地中海の本マグロ、ボストンのホタテやあん肝を始め福岡や北海道の天候を常に目を配っている。
先程ボストンは吹雪いて荷物を出荷出来ないと連絡が来た。
しかし、今一番気にしているのがカリフォルニア、サンタバーバラ沖の天候だ。
そこで美味しい雲丹が採れるからだ。
駐車場の車の中で、雨降る空を見上げながら来週の雲丹の入荷予想をしていた。
ふっと、先回ブログしたニューメキシコの天候を思い出した。
当時アメリカにまだ慣れていなかった事もあり、色々と驚かされる事が多かった
ロスアラモスいう町に行った時だったが、雹(ひょう)が降ってきたのだ。
温暖な気候で育った駿河っ子のオジサンはパニックになった。
小石ほどならまだしも、だんだん大きく激しく降って来るのだ。
とっさにさした傘を突き破るような勢いだ。
なにより驚いたのがドラムを小刻みにたたいたような雹のつぶてが降り落ちる音であった。
ちなみにロスアラモスは日本に落とされた原爆を作った(マンハッタン計画)町である。
その話を町の人と話す事は無かったが、日本人と言うと何となく意識し合っている感じはあった。
ともあれ、いま重要なのはカリフォルニア、サンタバーバラの天候だ。
お客様は「何で雲丹が入らないの!」とあたかも雹のつぶての様に質問してくるが、
「雲丹の入荷は海の天候次第です」とかわすオジサンでした。
「雨よやめ!風よしずまれ〜!」