とろろは混ぜるか混ぜ無いか。
ラスベガスは、まだ1月の終わりと言うのに昨日はポカポカ温かく、半袖で過ごせるぐらいの良い天気でした。
ところが今日はどんよりした曇りで、少し寒い。
更に明日は雨だそうだ。
この気候の変化は老体には応えるんだよね。
今日はなんとなく身体が重いし食欲も湧かない。
自分だけなら納豆ご飯で過ごすところだが、今シアトルからの居候を1人面倒見ているので、そうもいくまい。
試行錯誤した上で「とろろ汁」を作る事にした。
ご飯と味噌汁、そして長芋をすれば良いので楽だし栄養もある。
これだけじゃ淋しいので、先週の売れ残りのイサキを開きにしてあったので豪快に焼いて食べた。
これは予想外に美味しく出来ていた、居候も涙ながらに食べていた。
さてとろろ汁の食べ方は事前に教えたのだが、彼は味噌汁ととろろを混ぜない。
本来ならこの2つを摺鉢に入れてガリガリと混ぜるのだが彼にはその様なカルチャーは無いと言う。
東海道五十三次の静岡丸子の「とろろ汁」は戦国時代からの静岡の郷土料理である。(こちらは自然薯)
学校帰りに母が凄い形相で摺鉢をゴリゴリやっていると「今日の夕食はとろろ汁だな」とわかる静岡の郷土料理である。
新潟出身の彼には馴染みが無い料理なのだろうか?と疑問に思ったが、食費を出してもらっている以上文句は無い。
「しかし別々に食べても美味しく無いだろうに」と横目で見ながら思った。
食後、奥さんとの電話でその事を話すと、
「私もとろろとお味噌汁を混ぜるのはおかしいと思う」と思わぬ意見が出た。
「ぐちょぐちょして気持ち悪いじゃん」と言う暴言も吐く。
「なんちゅう事を!駿河っ子を敵に回す言動を〜」
と返したが
「あれは変‼︎」とダメ押し。
夫婦40年目にして明かされた食生活のギャップである。
「よく混ぜるのが愛」と思ったのに。
新潟のみならず、茨城まで食文化のボーダーがあったとは‥…。
まあ単身赴任中は「とろろ汁」を母との思い出と共に1人で楽しむ事にしよう。