その2‐故郷は絵に描いて思うもの
故郷を遠く離れていると、
ながく過ごした少年時代に見ていた故郷のイメージが心に残っています。
静岡などの便利な地域だと都市化が進み、どんどん田畑が消えてビルが建つので、
何処がどこなのか分からなくなる。
住んでる人達にとってはより便利に、より綺麗になっているのに違いないのですが、
遠く離れた者にとっては
心の中の故郷が消えてゆくようで少し寂しいものを感じます。
とんだ浦島太郎現象です。
家の周りはともかくとして、自分が通った小学校へ行くにも、かなり迷うだろうと思う。
ウロウロしながら歩いていれば不審者として通報されかねなし、犬にも吠えられる。
そうした中、昔と変わらない場所があると、
時を超えて迎え入れてくれている気がしてホッとする。。
昨日アップした神社なのどがそうです。
下の絵は2014年に母に送った絵であるが、実際には存在しない風景です。
母が施設に入ったと聞いて、部屋に飾ってもらえばと思い、
少年時代に見た情景を思い出しながら描いたものだからです。
茶畑にいる2人は父と母で、我が家にあった小型トラック(ダイハツだったかな)、
そして手を振っているのは私で、
後ろに兄と弟という五十年前のお茶農家(我が家)の情景です。
五角形の建物は草薙運動場の体育館、今はもう無いそうです。
ここの草薙球場は嘗てベイブルースと沢村栄治が対決したことで有名な場所です。
空想と想像が入っているので、絵の構図としては無理があり、
アンバランスで色彩も現実離れしてしまい、稚拙なところがありますが、
思い出の風景、心のふるさと的な絵としては
個人的にずーと見ていても飽きないものがあります。
基本、母のいる施設にはこうした絵を飾る事は禁止されているのですが、
兄様が施設の人に頼んで母の部屋に飾ってもらています。
「心の中の風景」2014