砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

パラシュート ファミリー

奥様によると最近前の家が怪しいと言う。


タウンハウスなので台所から前の家が見えるのだ。

チョット前は上品なチャイニーズのお姉さんが居て、目が合えばニコリと挨拶していた。

彼女が働いている昼間は愛らしいマルチーズが居て、奥様が庭に出ると愛らしい目で見つめる。


奥様にとっては癒しになっていたそうだ。


しかし武漢ウイルスがアメリカに感染し始めた頃だっただろうか、上品なお姉さんとマルチーズの姿が消えて、随分騒がしい家族が突然住んでいる。


奥様が庭の花に水をかけていると、何かの視線を感じるので振り向くとマルコメ小僧とオカッパがジット見ていたそうだ。

そして表情無く「ハロー」と手を振るので「ハロー」と答える。


そんな事が何日か過ぎると父親らしき人が現れる。

毎日朝8時に白いバンが現れて何処かに出かけて行く。

このボロいバンは窓ガラスが壊れていて怪しい。


家にいる時は朝早くから食事の支度をしているのだが音が凄まじい。

トントントーン ジャ〜と毎日中華包丁で何かを切り刻み油で揚げている。


時たま顔を合わせるがニコリともせずに「ハロー」とだけ言う。


その内人数が増えてきて何人家族なのかよくわからない。

違う男性がトントントーン ジャ〜とメシを作っている時もあるし、子供の数も5人に増える時もあれば少なくなる時もある。

不特定多数の出入りもある。


無許可の保育所をしているのだろうか。


入口で2人のオバさんが激しく中国語で話している。

大きな唇とダラとしたワンピースを着ているのでオバQと呼んでいる。


あんなに近くで話しているのに、何であんなに大声で話さなければならないか疑問だ。


彼らが部屋で話す声も庭と壁を通り越しでくる。


ある人によると中国人は習近平や共産党の悪口を言う事が禁止されているので、かえって疑われない様に大きな声で会話するそうだ。

確かに悪口は影口といわれる様に、ヒソヒソと話すものだ。


しかし夜8時になるとパタリと音が止んで電気も消され、中に人が居るのかどうかわからないほどシ〜ンとしている。


謎は深まるばかりだ。


何度か話しかけてみたが余り関わりたくない様だ。


隣りに住んでる南米ペルーのオバさんによると、最近こうして突然住んでる人が変わる家が増えていると言う。

突然現れるのでパラシュート ファミリーと呼ばれるそうだ。


ちょっと前に隣町のローランドハイツでは中国人の妊婦がこちらで出産して、アメリカ国籍を取るという斡旋会社がFBIに摘発された。


米中関係悪化の中でもチャイニーズが多いこの町でオジサン達は彼らと仲良くやっているが、やはりお互いエチケットを守る事は大切だ。


だが如何やってそのエチケットを伝える方法が、まだわからない。


まあ夜は静かだから🆗かな。


「鳴呼、あの上品なチャイニーズのお姉さんとマルチーズは再び帰ってこないのだろうか。」

と奥様は嘆く。

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