砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

三保松原「羽衣伝説」

せっかく実家のある静岡に来たのだから、世界遺産となった三保の松原に行く事にした。

足利サービスエリアで見えた富士山が目に染みるなぁ〜。


東京から三保松原まで高速バスが出ていたが清水駅で降りる。

清水と言えば昔は次郎長親分であったが、今はマルちゃんである。


この三保の松原には「羽衣伝説」がある。

「羽衣伝説」は日本各地にあると言う。

天女が羽衣を松にかけて水浴びしていたら、漁師がそれを見つけて家宝にしようと家に持って行こうとしちゃうのだ。

天女は「それが無いと天に帰れません、返して下さいませ。」と嘆願する。


さて、一般的「羽衣伝説」の近江説も丹後説も海の向こうの韓国に伝わる「羽衣伝説」でも、男が羽衣を隠してしまい天女を自分の嫁にすると言う犯罪的行為におよぶ。

その上、漁師は子供を産ませ労働させているので、現代なら弁護士さんに相談しなければならないようなDVレベルだ。


ところが三保松原の「羽衣伝説」はチョット違う。


三保の漁師さんは天女の悲嘆にくれた姿を見て、すぐに羽衣を返す気持ちになりました。


「返すかわりに天人の舞を舞って下さい。」とお願いします。何とも芸術がわかるモラルが高い漁師さんだ。

天女は喜んで承知しましたが

「羽衣がないと舞が舞えません。まず羽衣を返して下さい。」と言うのです。


漁師はふと思いました。羽衣を返せば舞を舞わずに帰ってしまうのではないか。

すると天女はきっぱりと答えました。

「疑いや偽りは人間の世界のことで天上の世界にはございません。」


この言葉に漁師は自分がすっかり恥ずかしくなりました。


羽衣を身にまとうと、天女は優雅に袂を翻し、舞いを舞いはじめました。

どこからともなく笛や鼓の音が聞こえよい香りが立ちこめます。


漁師はがあっけにとられて見とれているうちに、天女はふわりふわりと天へと上り

だんだん高くなったかと思うとみるみる内に愛鷹山から

富士の高嶺に、霞にまぎれて消えていきました。

めでたし、めでたし。


このように三保松原の漁師は「騙しません」「盗みません」「無理やり妻にしてません」の善人です。

それどころか天女の言葉を疑った自らを恥じています。

さすがは心優しく粋な駿河っ子だ。


やはり雄大な富士を見て育った駿河の漁師は物欲に負けない「天を敬う心」を持っていたんでしょうね。



奥様が浜辺で何をしているかと思ったら、富士山そっくりの石を見つけたそうです。




「ココが世界遺産なら、この石も世界遺産の一部、タダのお土産。」と言われる。

勿論この発想が出来る奥様は駿河っ子ではありません.....。


心優しき漁師にあやかって、天女が忘れ物した「羽衣の松」の前で記念写真撮りました。


この「羽衣の松」の横に「落とし物、忘れ物注意!」の看板必要と思います。

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