砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

暗闇の中から声が聴こえる。

物騒な世の中になったものである。


ロスで近所の日本人のお婆さんの家に泥棒が入った。


このお婆さんは犬を連れての散歩で、よく家の前を通るので奥様と友達となった。

手前の坂を登って小高い丘のゴージャスな家に住んでいらしゃる。


先の独立記念日には奥様と次男が花火パーティに呼んで頂いた。


その家の庭からはロスの町が一望出来、まるで大名になった気分で花火を見たそうだ。


事件はその2日後に起こった。


お婆さんが夜に庭側のガラス戸のカーテンを閉めようすると、暗闇の中で女性がヌボーと立っていたのである。


良く眼を凝らすとスプライトを飲んでいた。

花火パーティの残り物だ。


「What are you doing !? I call Police !」と叫んだが、動じる気配も無く「Go ahead !」と言って手にあるお婆さんが買ったスプライトをゴクゴクと飲んだという。


大きな家に75歳のお婆さんの一人暮らしである。

これは怖い。


ポリスは10分程で来たが、ポリスも不法侵入者も手馴れた様子で連行されていった。


この話を先程、奥様からの電話で聞いた次第であります。


夜、暗闇の中で想定外の人がボーと立っているのは恐怖である。


これまたオジサンの昔の話になるが高校生の時、同じ様な恐怖体験をした事がある。


当時、父が母屋の裏にある蔵の二階に勉強部屋を作ってくれた。


勉強部屋は小さが古い家にはチョットモダンな部屋だった。

しかし、一階の蔵は昼でも薄暗く何やら不気味であった。


一度、奥に転がっていった野球のボールを探してたら、古そうな一升瓶が手にあたったので梅酒かなんかと思い顔を近づけ見るとマムシ酒であった。


現物のマムシの目とあった様な気がして恐怖を覚えた。


それ以来魔界の入口の様な暗い蔵だったので、夜二階の勉強部屋に上がるときは、なるべく奥を見ないようにして階段を駆け登ったものである。


ある夏の夜、勉強も出来ないのに夜中まで机に向かっていると、階段の下の方からか細い女性の声が聞こえる。


棒を持って恐る恐るそーと顔を半分だけ出して階段の下を覗いてみた。


青白い顔をし、白ぽい寝巻きを着た女性が暗闇にボーと立っているではないか!


そしてその暗闇の中から「せいちゃ〜ん、せいちゃ〜ん」とか細くオジサンの名前を読んでいるのである。


「ゆ、幽霊か⁉︎ なんでオレの名前を知っとるんだ!」

恐怖で心臓が止まりそうだった。


しばらくしてから、思い切って「だ、だれですか〜?」と声を絞り出すと。


少し間を置いてから「わたしヨ〜,,」と言う。

よく見ると近所の御夫人だった。


30代だっただろうか端正な顔立ちでスラリとした綺麗な御夫人だった。


下に降りて話してみると、彼女は不眠症で寝付けず、外を歩いていたらオジサンの勉強部屋の灯りがついていたので思い切って来てみたそうだ。


その後も3度ぐらい夜 勉強部屋の灯りに連れられて階段の下で名前を呼ばれただろうか。

少しでも話すと夜中に寝てないのは自分だけでは無いと変な安心感が出るそうである。

知っている人と分かれば、オジサンも夜中の人助けと思っていた。


しかし、誰か分からないと夜中の暗闇の中でボーと人が立っていたら、幽霊と思ってしまうだろう。


坂の上のお婆さん泥棒事件の話を聞いて、あの高校生の時の恐怖体験を思い出してしまった。


実は、この恐怖体験はオジサンだけではとどまらなかった。


東京に行っていた大学生の兄が夏休みに帰って来て、その期間あの勉強部屋を使う事となった。


ある夜12時を過ぎた頃、暗い階段の下の方から「せいちゃ〜ん、せいちゃ〜ん」とアノか細い声が聞こえて来たそうだ。


何も知らなかった兄は恐怖で「ヒョエ〜」と震えたそうだ。



次の朝、兄は青ざめた顔で「お前 幽霊に友達でもいるんか⁉︎」と聞いて来た。


オジサンは「あ!あの不眠症夫人の事、言ってなかった」と心の中で思ったのであった。


インタネットもコンビニも無かった昔の田舎だったからしょうがないですね。


暗闇は人を不安にさせるものです。

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