砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

アフターコロナの寿司屋

魚屋の朝は早い。

3時に起きて4時には出社する毎日だ。


まずは空港から大量の鮮魚をピックアップして、オーダーに応じて分配して行くのが朝の作業だ。


これがスムーズに行われれば1日の仕事は心穏やかにスタート出来る。


しかし、今日は初パナから我が心の平安は崩された。


日本から送られて来た北海道雲丹の箱がトラック内で転げ落ちてダメージを受けてしまったのである。

1枚$120で売れる雲丹が20枚近くオシャカ。

OH my God〜‼️



仕入れ担当者としては血の気が引いてプルプルプルと震える。


「何で壊れやすい雲丹を不安定な積み方して持って来たんだ!」とピックアップして来た若い社員に怒るも、彼だけの責任でも無い。

積み込んだ空港側の作業員の問題でもあるが、機転が効けば未然に防げたミスだ。


怒りは中々消化出来ず我が心と血圧は乱れる。


しかし、若い社員も気まずそうな顔をして強張っているし、このまま一緒に仕事を続けるのはお互い辛いものがある。

自分の息子の年齢より若いアメリカンが、ネガティブな気持ちで近くで作業されても嫌なので、ガシとハグして「I love you 」と伝えた。


あ〜大人は辛いね〜。

「この野郎〜」と思いながらも、従業員と上手く付き合いながら教えて行かなければなりません。


朝の気分が悪いと一日が何となくブルーになるものです。


しかし、昼頃に親しいお客さんから「ランチあげるからお店に来なよ」と電話を受ける。


このシェフはホテルの有名店から独立して先週自分のお店を始めた。


このご時世に独立して大丈夫かと思いながらも、気遣いに感謝して彼女のお店を探す。


クーグル マップに沿ってドライブするが中々見つからない。

それもそのはずレストランではなく、配給センターみたいなビルディングの中の1コーナーにお店があるのだ。



インターネットでオーダーしてウーバーで配達かピックアップだ。

だから客席も要らないし、従業員もいらない。

彼女1人で働いている。



コロナ以降、こうしたスタイルのお店が増えたそうです。

Uber Eats は大盛況だ。


小綺麗な配給センターの中にはチャイニーズ、カレビアン、イタリアンなどのTo go スタイルのお店が入っていた。


「どうだい?」と聞くと高級ホテル レストランの時の常連さんが注文してくれると言う。


ビジネスが上手く行っているようで安心した。


作ってくれたチラシ寿司を見て驚いたのは、食材の豪華さ。

日本産本鮪、キング サーモン、金目鯛などとかなり良い物を使っている。


値段もこれで50ドル、日本円で6千円だからかなり強気だ。

「高級ホテルと同じ食材をこのお値段で」とすれば安いのかもしれません。


小さくても一国一城の主人だ。

希望に溢れた彼女の笑顔を見れて嬉しかった。



頂いた高級チラシを食べる頃には、朝のブルーな気持ちも晴れました。



アフターコロナの寿司屋は進化を続けてます。

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