砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

成田のホテルにて

携帯電話を会社に預けて休暇を取っている。

米国内で休みを取るときはスマホを携帯して最低限の業務はするが、海外となるとそうはいかない。


しかし携帯電話を持たない事が不自然に感じる自分であるのに気が付く。

明治時代の廃刀令を受けた武士が腰の辺りを寂しく感じたようなものだ。

気付くと、いつの間にか手が携帯を探しているのだ。

ある学者が「現代人はスマホ ホーリック(中毒)」と呼ぶのも頷ける。


今日、成田空港に着いた、一年ぶりの日本である。

風がやさしく感じる、やはりネバダ砂漠の乾いた空気に慣れてしまったからであろうか。

緑も美しい、つくづく日本は「緑の国」だなと思う。


昔は成田に夕方到着したら、そのまま実家に帰ったりしていたが最近は1クッション入れて空港周辺のホテルに泊まるまるようにしている。

直行で帰るとかなり夜遅くなるのと、オジサン達もかなり疲れてしまうからだ。

今回も、とある飛行機会社系列のホテルに部屋をとった。

実はオジサン、このホテルとは浅からぬ因縁がある。

まだ携帯なども無い30年以上前の事だが、このホテル建設をお手伝いをさせて頂いた。


建設の御手伝いと言っても具体的に体を動かす方だ。

そうアルバイトで土方をやったのだ。

そのXX組の作業場がこのホテルの建設であった。

そのころ米国ビザ更新のため帰国していたが、1ヶ月ほど日本に滞在しなければならず、手っ取り早いバイトで土方をすることとなった。

3人の友人と一緒に働いたが、大変貴重な体験であった。

朝早く××組に行くと皆で土方飯を頂くのだが、そこで同じ釜の飯を食べながら色々学ばせて頂いた。


かつての社長さん、かつての部長さんなど、ずいぶんと波瀾万丈の人生をおくられ、あまり深い事情を聞かない方が良いかなと思った。。

ましてや御家族の事情などはタブーである。

皆さんかなりいいお年に見えた。


人生の終着駅、人生の波止場とで言うか、なんとも言えない男の哀愁を感じた。


オジサンは「メガネ!」と呼ばれながら随分コキ使われた。

メガネをつけ、ヒョロヒョロした若僧が働きに来ているのが珍しかったのであろう。


どの業界にも専門用語があるようです。

ネコは一輪車を意味するそうで、良く面倒をみてくれた元社長のおっさんが「おめーら、いいか、この前バイトに来た大学生にネコ持ってこいって言ったら、1時間ぐらいして猫を捕まえてきやがった。おねーらもバカしないように、おぼえとけ!」とおしえてくれた。


建設中のホテルは15階ぐらいあるが、まだ基礎工事の段階ではトイレなどは無い。

上の階でトイレに行きたくなっても下の仮説トイレまで行かない人も多かった。


朝の朝礼でxxx建設の現場監督が「どうも、それぞれの階で落とし物がよく見つかって困っている、しっかりし下まで降りて仮設トイレを使用するようにして下さい」と言われた。

はじめ「落とし物」とは何んの事かよく分からなかったが、元社長のおっちゃんが教えてくれて「あ~なるほど」と分かった。


今日、「いい部屋ね」と喜ぶ妻の顔を見ていると、この話しをするのは止めておこうと思う。

まあ、どのホテルも似たり寄ったりだろう。

かえってウンがついて良いかもしれない。


当時、一日の現場作業が終わり、ヘトヘトになりながら食べるリンガーハットの長崎チャンポンの味が妙に懐かしくなった。

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