砂漠の徒然草のブログ

ネバダで単身赴任、心の泉を求めて彷徨うワタシ。

そこに愛はあるのか!

人生は学問なり。

オジサンの記憶が確かなら、母方の祖父が偉い人で家の庭に「人生は学問なり」と石碑を建て、子孫に学問の大切さを伝えているという。
子供の頃の記憶なので広い庭にそのような石碑を見たような見ないような、母から聞いただけだったのか思い出せない。


しかし、深い言葉である。


学問はただ学校で学ぶものでは無く、机で勉強するものだけでも無い、
人生すべてが学びの場である。
仕事を通し、家庭を通し、世の中で揉まれて多くを学び人は成長する。
「生きて行く中で、何事からも学ぼうとする心の姿勢」の大切さを伝えた言葉である。


オジサンの次男君が冬休みに入ったので、1週間だけバイトでベガスに来る事になった。バスの予約が取れなかったので、土曜にロスに帰り日曜に次男と運転してベガスに戻ってきた。
単身赴任が長いと息子と話す機会が少ないのでドライブしながら、大学の進路や、人間関係、サークルの事など色々話すことが出来て良かった。
ほとんど次男君がドライブしてくれたのも良かった。


オジサンはこの「人生は学問なり」の事も次男君と話した。
「何でも勉強だから、チャレンジしたら」「その人の良い所を学ぼうしたら」などと人生の先輩として学ぶ姿勢を伝えた。


やっとBakerの町に着いてベガスまであと90分、
トイレ休憩にカントリーマートに行ったらトイレが故障中、しょうがないからエーリアン フレシュ ジャッキの店で何も買わずにトイレを使い、
ドライブをオジサンが変わって運転をすると後ろがチカチカ、ピカピカ光っている。
嫌な感じである。ポリスカーだった。
ストップ サインを見逃したらしい。エーリアンの呪いか⁉


夜の6時を回り、日はドップリ暮れていた。後ろからポリスカーのヘッドライトでよく見えないが、銃のホルスターのホックを外して近寄ってくる事はわかる。


こうした時にあまり手を動かしてはいけない。手はハンドルの上に置いてポリスが指示するまではじっとしている方が良い。
実は、こうした状況はポリスの方が怖いそうである。銃社会であるアメリカは止めた車からポリスが撃たれるケースが多い。


窓から懐中電灯でこちらを照らしライセンスや車両証明書などを聞いてくる。
オジサンは「ハイ!オフィサー Good Evening!」軽く笑顔で答える。


オジサンはかつて、この笑顔で過去5回中2回チケット(罰金)を見逃してもらった事がある。
残念ながら、このポリスには通じなかった。


「マダムキラー」と呼ばれたオジサンの笑顔も、三十年も経てばただ不気味のようだ。


しかし、悪い奴では無いと感じたポリスはチケットを渡しながら最後は笑顔で「安全運転で気お付けろよ、Good Night 」と言って手を振って立ち去って行った。


次男君は初めての経験だったようだ。
車社会で生きる息子に、ポリスに止められた時の対処方法を実体験で教える事が出来た。
人生は学問なり!」である。


オジサンが恐れたのは、この事を奥様にどう伝えるかであった。
「明日にしたら?」と次男君は言うが、
嫌なことは早めに済ませるのがオジサンの生活信条であるので電話した。


....怒られた。


オジサンは「ゴメンナサイ」と素直に謝った。
奥様は素直に謝れば許してくれるのである。


「チケット(罰金)はいくら位かな?」と聞かれたので
「う~ん 大したことないと思うよ」と曖昧に答えたが、
チケットの金額が家に届くまでが執行猶予のような気がする。


人生は学問である!
何も包み隠さす話す夫婦の率直な姿を実体験で息子に教える事が出来た。


嫌な経験でもあったが、
「ケッセラセラ~ 成るようになるさ~ 明日の事など分からな~い~」
と鼻歌を歌いながらオジサンと次男君はベガスの町に入って行った。

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