いまさら『永遠のゼロ』
日曜日はかなりグタグタの生活をしていた。
週末ぐらいは時間に追われない行動を取るように心がけているが、掃除洗濯、買い物に食事など最低限の生活必需項目を終わらせた後にドラマか、バラエティー番組でも見ようかと色々探したがピンと来ない。
YouTubeを流し見していたら『永遠のゼロ』のテレビ版がアップされていた。
百田尚樹氏の『永遠のゼロ』は本で読んだし、映画も見て大変感動したので、今更テレビ版を見る必要はないと思っていた。
三部に分かれていたので1部を見て良かったら、日を改めて続きを見ようと思っていたがのめり込む様に全部見てしまった。
さっき見終わったところだ。もう寝なければならない時間だ。
いや~映画より良かったかもしれない。感動した。
6時間かけているので原作により近くなっているかもしれない。
戦争という過酷な時代の中で、必死で生きようとした宮部久蔵の家族愛と今に生きる若者に生きる意味を問うた作品です。
この『永遠のゼロ』が戦争賛美であるという批判があると聞いてビックリした。
特攻隊への疑問、旧帝国海軍指導部への批判、生きる事の大切さを描いているのになぜ戦争賛美?
全ての戦う事を否定しなければならないのなら、漫画の『ワンピース』や『ナルト』、テレビの正義の戦隊シリーズもダメになってしまう。
見ても良いものは恋愛物、スポーツ物、ファンタジーかな。
主人公の宮部は、はっきりと特攻を否定し、ゼロ戦を作った人達にも批判している。
百田氏は主人公の宮部久蔵のモデルの一人に岩本徹三を挙げている。
生涯で200機以上を落としたエースパイロットだ。
彼は特攻につて
「死んでは戦争は終わりだ。われわれ戦闘機乗りはどこまでも戦い抜き、敵を一機でも多く叩き落としていくのが任務じゃないか。一度きりの体当たりで死んでたまるか。俺は否だ。」と言って志願しなかった。
「この戦法(特攻)が全軍に伝わると、わが軍の士気は目に見えて衰えてきた。神ならぬ身、生きる道あってこそ兵の士気は上がる。表向きは作ったような元気を装っているが、影では泣いている。」「命ある限り戦ってこそ、戦闘機乗りです。」 「こうまでして、下り坂の戦争をやる必要があるのだろうか?勝算のない上層部のやぶれかぶれの最後のあがきとしか思えなかった。」と軍上層部の指示を批判している。
数年前『永遠のゼロ』の映画のDVDが出た時、アメリカ人の次男にこれを見せた。
彼が受けるアメリカの学校教育では日本帝国は悪だ。特攻は自爆テロと混同している。
しかし、映画を見終わった次男に感想を求めると
「愛する者を守るためにみんな必死で戦ったんだね。その犠牲の上で今の平和があるから、僕もしっかり生きなければならないね」
これが多くの人が感じる素直な感想だと思う。
人類歴史は戦争の歴史であると言っても過言ではない。
しかし、その戦争の悲惨な歴史から学び反省し、平和を維持し守ろうとする努力を惜しまないのも我々であると思う。